リトルターン・プロジェクト

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炎天下の屋上で卵を抱いていた、コアジサシの群れ…。あの日から…

リトルターン・プロジェクトとは絶滅のおそれのある渡り鳥、コアジサシ(小鯵刺・学名・Sterna albifrons)の保全を目的として作られた団体です。

2001年6月、東京都森ヶ崎水再生センターの施設屋上では、玉砂利の河原や砂浜など本来の繁殖場所を失ったコアジサシ(約200羽)が営巣を始めていました。ところが巣立ったヒナはわずかに5羽。強風で卵が飛ばされるなど、コンクリートの上は過酷な環境でした。

偶然それを発見した私たちは、水再生センターの職員やボランティアの人々と営巣地の整備と調査を開始、コアジサシの巣立ちを見守ってきました。カラスや野良猫の襲撃、大雨で巣が水びたしになったり、草がたくさん生えて卵が産みづらくなるなど、ヒナが巣立たなかった年もありましたが、2021年までに、累計11,522羽(推定)のヒナが森ヶ崎で産まれ、そのうち2割程度(推定)が無事に巣立って行きました。

2002年、ここで足環をつけた幼鳥がニュージーランドでみつかり、その翌年には巣立った幼鳥同士がカップルになって千葉で営巣しているのが発見されました。さらに2007年には森ヶ崎生まれのカップルがふるさとである森ヶ崎に戻って営巣していたり、千葉や茨城で確認された成鳥が別の年には森ヶ崎で繁殖しているなど、興味深い発見が相次いでいます。近年では、2013年に森ヶ崎で生まれたコアジサシが、2020年1月にオーストラリア、ニューサウスウェールズ州で越冬していたことが確認されました。今後もさらにコアジサシの生態が解明されていくことでしょう。

私たちが目指すもの

森ヶ崎の屋上営巣地は世界でも初めての試みであり、注目されていますが、私たちは従来の生息環境である、干潟や砂浜、玉砂利河原などの環境保全も視野に入れつつ、自然と人間のかかわり合いのひとつのかたちとして、この試みが日本国内や海外に波及していくことを望んでいます。

コアジサシ保全からみえてくるもの

かつて干潟や湿原が、人にとって無駄なものと考えられていたように、なんの変哲もない<裸地>を必要としている生き物がいます。コアジサシだけでなくシロチドリやコチドリ、植物のカワラノギクや昆虫のカワラバッタなど。<裸地>も生態系のなかの重要な場所であり、コアジサシにとっては次世代の子供を産み育てる大切な場所なのです。しかし、その玉砂利河原や砂浜は人間の手によって次々に破壊されてしまいました。そのようなことが、今、様々な生き物たちに襲いかかっているのです。

森ヶ崎営巣地におけるコアジサシの営巣状況ー経年変化

◆このプロジェクトは東京都下水道局と大田区の協力を得ています

[ 当ホームページに掲載の写真に関して ]

コアジサシなど野鳥の写真は、森ヶ崎水再生センターに立ち入り許可を得て、LTPスタッフがコアジサシ営巣地で撮影したものです。野鳥の生息・繁殖に影響を及ばさぬよう、十分に配慮して撮影を行っています。

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